「Aくんは足が速いんだよ」「リレーで自分の番になるの、ちょっと苦手だな……」そんなお子さんの言葉に、「うちの子、足が遅いのかも」と感じたことはありませんか。運動会や体育の授業のたびに、まわりのお友達と比べて、つい心配になってしまう。そんな保護者の方の声を、私たちはこれまでたくさんお聞きしてきました。「足の速さは生まれつきのもの」と思われがちですが、実は走る速さにはいくつもの力が関わっており、正しい知識とトレーニングによって伸ばせる部分があると考えられています。【この記事を読むとわかること】足が速くなる「仕組み」(スタート・加速・維持の3局面と、それを支える力)おうちで今日からできる、足が速くなる基礎トレーニング運動会・サッカー・バスケットボールなど、目的別に意識したい力とトレーニングお子さんの年齢・発達段階に合わせた取り組み方実際にきそスポでトレーニングに取り組んだお子さんたちの事例この記事では、理学療法士の視点から、足が速くなる仕組みをはじめ、おうちで今日からできる基礎トレーニング、運動会・サッカー・バスケットボールなど目的別の練習方法、お子さんの年齢に合わせた取り組み方まで、順を追ってわかりやすくご紹介していきます。実際にきそスポでトレーニングに取り組んだお子さんたちの事例もあわせてお伝えします。「うちの子に合った練習を見つけたい」と思われている方にとって、少しでもヒントになれば幸いです。理学療法士による「無料のマンツーマンレッスン」1. 足が速くなる仕組み「うちの子、なんだかちょっと足が遅いな……」そう感じたとき、多くの方がまず思い浮かべるのは「とにかくたくさん走れば速くなる」という練習ではないでしょうか。私たちも、これまで多くの保護者の方から同じお悩みをお聞きしてきました。もちろん、走る練習はとても大切です。ですが実は、足の速さは一つの能力だけで決まるものではないと考えられています。さまざまな能力や技術が組み合わさることで、速く走れるようになっていくのです。まずは、「速く走る」とはどういうことなのか、仕組みから見ていきましょう。走りの基本は3つの「局面」でできている(スタート・加速・維持)陸上の100m走や運動会のかけっこでは、スタートからゴールまでずっと同じ走り方をしているわけではありません。一般的に、走りは次の3つの局面に分けて考えられています。スタート局面 : 静止した状態から最初の一歩を踏み出す場面。反応よく動き始め、力強く地面を押せるかがカギになります加速局面 : スタート後、徐々にスピードを高めていく場面。最初の数歩をどれだけ効率よく前へ進めるかが、走り全体に大きく影響します維持局面 : 十分にスピードが上がったあと、その速さをできるだけ保ちながらゴールを目指す場面。特に50m走や100m走では、最高速度そのものに加え、それを保つ力も大切だと言われています同じ「足が速い子」でも、スタートが得意な子、加速が得意な子、後半までスピードを保てる子など、それぞれに特徴があります。「うちの子はどのタイプかな?」 と考えながら読み進めていただくと、次の内容がより我が子のこととして感じられるはずです。「走り」の基本の局面を支える4つの能力では、この3つの局面をうまく走るために、どんな力が必要なのでしょうか。専門的な研究では、主に次の4つが関わっていると報告されています※¹。 エンジンとなる力 : 一瞬で大きな力を発揮する、いわば体の「馬力」のような役割を果たし、スタートや加速だけでなく、走り全体の土台になります。 スタートダッシュの力 : 「よーい、ドン」の声掛けに素早く反応をし、地面を後ろへしっかり押し、その反力を前へ進む力に変える力 前へ進む技術 : 強く蹴るだけでなく、姿勢や腕振り、足の動かし方を含めて効率よく前進につなげる技術 スピードを保つ、落とさない力 : 上がったスピードを、できるだけ保ち続ける力「足の速さは生まれつきの才能」と思われがちですが、これらはトレーニングによって変化する可能性があるとされています。もちろん効果には個人差があります。それでも、「何となく走る」のではなく「どの力が今のお子さんに必要か」を知ることが、遠回りに見えて実は一番の近道になることがあります。サッカーやバスケなどの競技では、もう3つの力が必要になるここまでの4つは、いわば「まっすぐ全力で走る力」です。運動会の徒競走や陸上競技であれば、この4つを鍛えることが中心になります。一方で、サッカーやバスケットボールのように、相手や味方の動きに合わせて方向を変えたり、繰り返し全力で動いたりするスポーツでは、もう少し違う力も関わってくると言われています※¹。5. ブレーキ力(減速・方向転換) : 急に止まる、切り返すといった動きを支える力6. 判断して動く力 : 味方や相手、ボールの動きを見て、とっさに動く方向を変える力7. ダッシュを繰り返せる力 : 何度も繰り返し短い距離をダッシュする力や回復力「まっすぐ走る速さ」と「競技の中で使える速さ」は、少し性質が違うものなんです。お子さんが取り組んでいるスポーツによって、意識したい力も変わってきます。次の章では、これらの力を実際にご家庭でどう伸ばしていけるのか、具体的なトレーニングをご紹介していきます。2. 小学生でも自宅で今日からできる方法! 足が速くなる基礎トレーニングとは前の章では、足の速さは「①エンジンとなる力」「②スタートダッシュの力」「③前へ進む技術」「④スピードを保つ力」の4つが組み合わさって生まれることをご紹介しました。「仕組みは分かったけれど、実際には何をすればいいの?」そう思われた方も多いのではないでしょうか。ここからは、ご家庭や公園でも取り組みやすい基礎トレーニングをご紹介します。多くは特別な道具を必要とせず、遊び感覚で楽しみながら続けることが、お子さんの成長につながります※²。ジャンプ遊びで、バネのような脚をつくる主に伸ばしたい力 : ①エンジンとなる力一瞬で大きな力を発揮する力は、速く走るための土台になります。その力を育てるためにおすすめなのが、ジャンプ遊びです。地面を強く押し、その反動を利用してすぐに次の動きへ移る感覚を自然に身につけられます。【やり方】ジャンプして、親御さんの手に連続タッチ【ポイント】「高く跳ぶこと」も大切ですが、それ以上に大切なのは「着地したらすぐに次のジャンプへ移ること」です。接地している時間を短くし、リズムよく繰り返すことで、走るときにも同様に力を素早く発揮しやすくなります。バウンディングで、前へ進む力を育てる主に伸ばしたい力 : ②スタートダッシュの力/③前へ進む技術バウンディングとは、大きく前へ跳びながら進む運動です。走るときに地面を後ろへ押し、その力を前へ進む力へ変える感覚を養います。【やり方】まずは両足ジャンプで前へ進む練習から慣れてきたら、左右交互の片足ジャンプで大きく前へ進んでみる【ポイント】体が左右へ大きくぶれないよう意識する最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返すことでバランス能力や体幹の安定性も育っていくと言われています。腕の振り方ひとつで変わるスピード主に伸ばしたい力 : ③前へ進む技術/④スピードを保つ力腕振りは、脚とは別の動きではありません。腕と脚がリズムよく連動することで、全身を使ったスムーズな走りにつながると言われています※³。【やり方】肘を約90度に曲げる肘を後ろへ引くように、前後へまっすぐ振る【ポイント】まずはその場で練習し、そのあと軽く走ってみましょう。腕を後ろへ引く意識を持つことで、自然と脚も前へ出やすくなるお子さんが多いです。フライング30m走で、スピードを保つ感覚を養う主に伸ばしたい力 : ④スピードを保つ力助走をつけてから全力区間に入る「フライング走」は、最高速度に近い状態で走る感覚を全身で覚えるのに役立つと言われています。ここまでの3つとは異なり、全力で走ることを伴う運動です。※安全な広さのある場所(公園の広場やグラウンドなど)で、必ず準備運動をしてから取り組みましょう。転倒にも注意してくださいね。【やり方】20mを助走区間、そのあとの30mを最大速度で走る区間とする(合計50m程度の直線が必要です)助走で加速し、勢いがついた状態で30m区間に入り、接地時間を短く・腕を大きく振ることを意識して走る【ポイント】2〜3セットほど行えると、感覚がつかみやすくなります。親御さんや兄弟との競争形式にすると、楽しみながら反復しやすくなりますが、周囲の安全や転倒には注意をしたうえで行ってください。※ご紹介した内容は、全て着地したときに膝が大きく内側へ入ったり、痛みを訴えたりする場合は、ケガのリスクが高まるため、無理をせず中止してください。運動が苦手な子どものためのオンライン運動指導教室「きそスポ」とは3. 目的別! 競技に合わせた足が速くなるトレーニング前の章では、どの競技にも共通する「足が速くなる土台」をご紹介しました。ここからは、運動会・サッカー・バスケットボールなど、それぞれの目的に合わせた練習をご紹介します。競技によって「速さ」の意味は少しずつ違います。必要な力に合わせた練習を取り入れることで、競技の中で使えるスピードにつながります。運動会でビリにならないためには?特に意識したい力 : ①エンジンとなる力/②スタートダッシュの力/③前へ進む技術徒競走は50m前後の短い距離がほとんどのため、スタートで出遅れないこと、そしてしっかりと加速することが結果に直結しやすいと経験的に感じています。前章の基礎トレーニングに加えて、次のような練習もおすすめです。合図に遅れないスタート練習【やり方】親御さんが「よーい」と声をかけたあと、好きなタイミングで「パン!」と手を叩く、その音が聞こえたら、すぐにスタートする【ポイント】毎回、手を叩くタイミングを変えることで、お子さんが音のパターンを覚えて予測してしまわないようにします。シンプルな練習ですが、運動会前の短期間でも取り組みやすいのが特徴です。サッカーで置いていかれない足を作るには?特に意識したい力:③前へ進む技術/⑤ブレーキ力(方向転換)/⑥判断して動く力/⑦ダッシュを繰り返せる力サッカーでは「速く走る」ことに加えて、相手や味方、ボールの動きを見ながら「判断して動く」時間も重要になる場面が多くあります。リアクティブアジリティゲーム【やり方】親御さんの右手が上がったら右へ、左手なら左へ、両手なら前へ、しゃがんだら後ろへダッシュする、というようにルールを決めるお子さんは親御さんの動きを見て、とっさに反応する【ポイント】素早く正しい方向へ判断できているかを確認しましょう。また、親御さんがフェイントを織り交ぜると、判断の練習としてさらに効果的です。バスケットボールで「切り返しの速さ」がほしい特に意識したい力:①エンジンとなる力/②スタートダッシュの力/⑤ブレーキ力/⑦ダッシュを繰り返せる力バスケットボールでは、一直線に走り続けることはほとんどなく、「止まる→方向転換→再加速」を何度も繰り返す動きが求められます。また、試合を通じて何度も全力で動き続ける必要があるため、後半になってもパフォーマンスを落とさない体力も重要になってきます。切り返しアジリティ【やり方】5mダッシュする ⇒ ラインをタッチする ⇒ 180度ターンする ⇒ 5m戻る【ポイント】「止まる→すぐ加速」の切り替えを意識しましょう。ターンするときは重心を低くすることがポイントです。※膝が内側に入った姿勢での無理な方向転換は、膝の靭帯損傷が生じやすくなります。最初はゆっくりとしたスピードから始め、正しい姿勢(重心を低く、膝が内側に入らないこと)を確認しながら行ってください。痛みが出た場合は、無理をせず中止しましょう。このように、「足が速くなる」といっても、競技によって必要な力は少しずつ異なります。ただ、どの競技であっても共通して大切なのは、前章でご紹介した基礎トレーニングで土台をつくることです。そのうえで、それぞれの目的に合わせた練習を取り入れることで、運動会や試合の中で実際に発揮できる「使える速さ」につながっていきます。▼こちらの記事もあわせてオススメゴールデンエイジの子どもがやっておくべきこと。年齢別で教えたいスポーツや運動メニューとは小学生からのコーディネーショントレーニング。効果的なメニューで子どもの運動能力を向上させる方法4. 年齢・発達段階に合わせた足が速くなるトレーニングここまで、足が速くなる仕組みや基礎トレーニング、目的別のトレーニングをご紹介してきました。「うちの子には、この練習をやってみよう!」そんなイメージが少しずつ湧いてきた方も多いのではないでしょうか。しかし、どんなに良いトレーニングでも、お子さんの年齢や発達段階に合っていなければ、思うような効果が得られなかったり、運動が苦手になってしまったりすることがあります。ここでは、お子さんの成長に合わせて、どのようなことを意識するとよいのかをご紹介します。なお、ここで示す年齢はあくまでも目安です。体格や運動経験、興味・関心によって発達のペースは一人ひとり異なりますので、お子さんの様子に合わせて参考にしてください。未就学児(3〜6歳): 「速く走る」よりも「たくさん動いて遊ぶ」ことが大切な時期この時期は、神経系の発達が著しく、さまざまな動きを覚えやすい時期だと言われています。そのため、「足を速くするトレーニング」を繰り返すよりも、走る・跳ぶ・投げる・転がる・くぐる・登るなど、多様な動きを経験することが何より大切です。この時期におすすめ:鬼ごっこ/しっぽ取りゲーム/ジャンプ遊び/ボール遊び/公園の遊具遊びこの時期に意識したいこと「できた・できない」よりも、体を動かす楽しさを大切にする同じ動きを繰り返すより、さまざまな遊びを経験する特定のスポーツだけでなく、多様な動きを取り入れる小学校低学年(1〜3年生):遊びながら基本の動きを身につける時期小学校に入ると、先生や保護者の説明を理解しながら体を動かせるようになってきます。この頃から、第2章でご紹介したジャンプ遊びやバウンディング、腕振り練習などを遊びの一つとして取り入れていくのがおすすめです。この時期におすすめ:ジャンプ遊び/バウンディング/腕振り練習/スタートの合図に反応するゲームこの時期に意識したいこと回数よりも正しい動きを覚えることを優先する「楽しい」「またやりたい」と思える工夫をする体育や外遊びも大切な練習の一つと捉える小学校中学年以降(4年生〜):競技に合わせた動きを取り入れ始める時期体力や筋力が少しずつ向上し、フォームや動きの質を意識しながら練習できるようになる時期です。第2章の基礎トレーニングを継続しながら、第3章でご紹介した目的別のトレーニングも少しずつ取り入れていきましょう。この頃になると、お子さん自身が「サッカーをもっと頑張りたい」「陸上の大会に出たい」といった目的意識を持ち始めることも多くなります。目的がはっきりしてきたタイミングで、目的別トレーニングを本格的に取り入れていくとよいでしょう。この時期に意識したいことフォームや姿勢など、動きの質にも目を向ける競技の特性に合わせた練習を少しずつ取り入れる「なぜこの練習をするのか」をお子さん自身も考えるなお、この時期に一つの競技へ専門特化することが、必ずしも長期的な能力向上につながるとは限らないという見方もあります。小さい頃からさまざまな動きを経験し、体の使い方の引き出しを増やしておくことが、その後の競技力につながる可能性があるとも言われています。「そろそろ一つに絞った方がいいのでは」と迷われた際も、お子さんが楽しんで続けられることを優先していただければと思います。次の章では、実際に「きそスポ」でサポートしたお子さんたちが、どのように足の速さを伸ばしていったのか、具体的な事例をご紹介します。5. 【事例紹介】目的別・きそスポのトレーニング事例ここまで、足が速くなる仕組みやトレーニングをご紹介してきました。「理屈は分かったけれど、実際にうちの子も変わるのかな」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、きそスポでの取り組みをもとにした、目的別のトレーニング事例をご紹介します。※効果や変化の現れ方には個人差があります。ご紹介する内容は一例であり、同じ結果を保証するものではありません。運動会へ向けて1ヶ月間集中トレーニングしたAちゃんの話入会されたときには、運動会本番まで1ヶ月というタイミングでした。「かけっこが課題」というお悩みでしたが、お話を伺うと、走る距離自体はそれほど長くないとのこと。そこで、①エンジンとなる力・②スタートダッシュの力・加速の部分に焦点を絞ってレッスンを開始しました。体の使い方を確認すると、つま先での蹴り出しや、地面についている時間(接地時間)がやや長い傾向が見られました。そこで、つま先の使い方や、接地時間を短くする感覚を養う練習を中心に取り組みました。運動会が近づいてからは、スタートの姿勢の確認と、音の合図に素早く反応して飛び出す練習も重点的に行いました。当日、Aちゃんはこれまでの練習の成果を出し切り、スタートダッシュが決まり、見事2番目にゴールしました。サッカーで足を速くしたいBくんの事例「相手のフェイントに引っかかって置いていかれるのが悔しい」というお悩みでした。動きを確認すると、初動、つまり動き出しの速さに課題があることが分かりました。そこで、地面をしっかり捉える力を養いながら、接地時間を短くして初速を高める練習を重ねました。あわせて、⑥判断して動く力を養うリアクティブアジリティ練習を通じて、目で見た情報を素早く体の動きにつなげる練習にも取り組みました。その結果、サッカーのコーチからは「○○、切り返しが安定してきたな」というフィードバックがあり、本人も「前より置いていかれなくなった気がする」と手応えを感じている様子でした。バスケットボールでバテない体力・一歩目の速さがほしいCさんバスケットボールに取り組んでいるCさんは、「試合の後半になるとすぐバテてしまう」というお悩みでした。動きを確認する中で、⑦何度もダッシュを繰り返す力を伸ばす必要性を感じ、トレーニングを組み立てました。具体的には、⑤切り返しアジリティで止まる・方向転換する感覚を養う練習に加え、脈拍数やご本人の自覚的な疲労度を確認しながら、休憩(レスト)のタイミングを調整しつつ、さまざまな動きを反復して行う練習に取り組みました。体力面だけでなく、止まる・方向転換するといった動きの質にも同時にアプローチすることで、試合終盤でも動ける体づくりを目指し、徐々に体力や試合終盤でのダッシュ力を付けていきました。このように、同じ「足を速くしたい」という目標でも、お子さんによって伸ばすべき力や取り組み方は異なります。だからこそ、まずは今のお子さんに何が必要かを知ることが、遠回りのようで一番の近道になります。オンライン運動指導教室「きそスポ」とは6. 「足の速さ」についてのよくある質問(Q&A)ここまでの内容を踏まえて、保護者の方からよくいただく質問にお答えします。Q. 足の速さは生まれつきで決まりますか?A. 生まれ持った体の特徴が影響する部分はあるとされていますが、それがすべてではないと考えられています。走る技術や瞬発力、体の使い方などは、練習によって変化しうる要素として研究で報告されています。「うちの子は足が遅い体質だから」と諦めてしまう前に、まずはどの力が伸ばせそうか、一緒に見つけていくことが大切です。Q. とにかくたくさん走れば速くなりますか?A. 走る練習はもちろん大切です。ですが、それだけでは伸ばしにくい力もあると言われています。ジャンプ能力や瞬発力、フォームなども合わせて取り組むことで、より効率よく変化を実感しやすくなることが期待できます。「毎日走り込んでいるのに、なかなかタイムが縮まらない」という場合は、走る以外の要素にも目を向けてみることで、突破口が見つかるかもしれません。Q. 一般的なスポーツ指導と、理学療法士が教える指導は何が違うのですか?A. 一般的なスポーツ教室や部活動の指導では、「とにかく走り込む」「見本の動きを真似する」といった、経験や勘に基づいた指導が中心になることも少なくありません。もちろん、それも大切な要素の一つです。一方、理学療法士は、人の体の構造や動きの仕組みを専門的に学んだ、いわば「体のプロ」です。「なぜこの子は思うように速く走れないのか」を、感覚だけでなく、体の使い方や動きの特徴から紐解いていくことができます。例えば、同じ「足が遅い」というお悩みでも、その原因は一人ひとり異なります。瞬発力(エンジンとなる力)が育っていないのかスタートの反応が遅れがちなのかフォームに癖があり、力がうまく前へ伝わっていないのか方向転換や判断のところでロスが出ているのかこれらを見分けずに「とにかく走る練習」だけを繰り返してしまうと、遠回りになってしまったり、体に負担がかかる動かし方が身についてしまったりすることもあります。そこで私たちが大切にしているのが、「評価→原因分析→介入→再評価」という4つのステップです。STEP1 、評価:お子さんの走り方や動きを、専門的な視点で確認します。どの局面が得意で、どこに伸びしろがあるのかを見ていきます。STEP2 、原因分析:「なぜその動きになっているのか」を、体の使い方や発達段階も踏まえて考えます。STEP3 、介入:分析をもとに、そのお子さんに合ったトレーニングを組み立て、実際に取り組んでいただきます。STEP4、再評価:一定期間取り組んだあと、再び評価を行い、変化を確認します。必要に応じて、次の練習内容を見直していきます。この4つを繰り返しながら進めていくことで、「なんとなくのトレーニング」ではなく、お子さん一人ひとりに合った、根拠のある取り組みを提供できると考えています。もちろん、この記事でご紹介したトレーニングも、多くのお子さんにとって役立つ内容です。ですが、「うちの子には何が一番必要なのか」をより詳しく知りたい、という方には、専門家による評価が力になれることがあります。7. きそスポで、お子さんの「できた!」 を一緒に見つけませんかここまで、長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。足の速さは、生まれつきの才能だけで決まるものではなく、いくつもの力が積み重なって育っていくものだと考えられています。だからこそ、「うちの子には何が必要なのか」を知ることが、遠回りに見えて、実は一番の近道になります。とはいえ、「記事を読んだだけでは、うちの子に何が足りないのか、正直まだよく分からない」と感じられた方も多いのではないでしょうか。それも、当然のことだと思います。私たちも、実際にお子さんの動きを見せていただくと、より正確なことがお伝えできます。無料体験でできることきそスポの無料体験は、60分、3歳からご参加いただけます。特別な持ち物も必要ありません。理学療法士がお子さんの走り方や体の使い方を実際に拝見し、次のようなことをお伝えしています。今のお子さんが、どの局面(スタート・加速・維持)を得意としているか7つの力のうち、特に伸ばしていくとよさそうな力ご家庭でも取り入れやすい、その子に合った練習の一例お申し込み後には、簡単なアンケートにご回答いただきます。事前にお子さんの状況やお悩みを把握したうえで、当日の内容を組み立てていきますので、はじめての方でも安心してお越しいただけます。「評価してすぐに終わり」ではなく、実際に体を動かしながら、お子さん自身が「できた」を感じられる時間になるよう心がけています。緊張しやすいお子さんも多いので、まずは体を動かして楽しんでもらうことを大切にしています。「うちの子でも大丈夫かな」という方へ「運動が苦手だから、余計に嫌になってしまわないか心配」「人見知りで、ちゃんと参加できるか不安」そうしたお声も、これまでたくさんいただいてきました。私たちがお伝えしたいのは、きそスポは「速くする」ことだけを目指す場所ではない、ということです。お子さんの「できた」を一緒に見つけ、体を動かすことを好きになってもらうことを、何よりも大切にしています。速さの伸び方も、伸びるタイミングも、お子さんによってさまざまです。お子さんの可能性を、専門家と一緒に見つけていく場所として、私たちを頼っていただけたら嬉しく思います。一人で悩み続けなくて大丈夫です。まずは、無料体験でお子さんの様子を見せていただければと思います。ご不明な点があれば、体験の際に何でもご質問ください!\オンライン無料体験のお申し込みはこちら/オンライン運動指導教室「きそスポ」参考・引用文献※1 Zhang X, et al. Influence of unilateral and bilateral plyometric training integrated with linear sprinting on physical performance in youth male basketball players. Scientific Reports. 2026. 内容を見る※2 Vitali F, et al. Enhancing fitness, enjoyment, and physical self-efficacy in primary school children: a DEDIPAC naturalistic study. PeerJ. 2019;7:e6436. 内容を見る※3 大宮真一, 井上和佳奈, 石井由依他:江別市における児童の体力向上に関する研究(第24報)―走り方教室について―. 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報, 第11号, 2021.内容を見る