「見て見て、スキップできるよ!」そんなお子さんの言葉とは異なり、実際の動きはなんか違う……「足がごちゃごちゃになっている」「うちの子、スキップができないのかも」と感じたことはありませんか。公園や幼稚園で、まわりのお友達と比べて、つい心配になってしまう。そんな保護者の方の声を、私たちはこれまでたくさんお聞きしてきました。「運動神経がないから」と思われがちですが、実はスキップにはいくつもの力が関わっており、遊びや練習を通じて育てていける部分があると考えられています。【この記事を読むとわかること】スキップができるようになる発達の目安と、個人差の考え方「運動神経」だけでは片付けられない、スキップに必要な力の正体おうちで今日からできる、遊び感覚のスキップ練習ステップ実際にきそスポでスキップができるようになったお子さんの事例この記事では、理学療法士の視点から、スキップができるようになる発達の目安をはじめ、「運動神経」という言葉だけでは片付けられないスキップに必要な力、おうちで今日からできる遊び感覚の練習ステップや取り組み方まで、順を追ってわかりやすくご紹介していきます。実際にきそスポでスキップができるようになったお子さんの事例もあわせてお伝えします。「うちの子に合った練習を見つけたい」と思われている方にとって、少しでもヒントになれば嬉しいです。【きそスポ】理学療法士による「無料のマンツーマンレッスン」1. スキップは何歳からできる? 発達の目安「うちの子、スキップができないんだ…」お伝えした通り、スキップができないことに悩む親御さんは多くおられます。まず気になるのは、「そもそも何歳でできるようになるものなのか?」 という点ではないでしょうか。目安は「5歳半」、ただし個人差はかなり大きい医療情報を扱うMSDマニュアル(家庭版)の発達目安表※¹では、以下のように示されています。年齢全体的な運動能力の目安2歳半ジャンプする4歳足を交互に出して階段を登ったり降りたりする/片足で跳ぶ5歳半スキップをする6歳かかとをつけてつま先を降ろし、まっすぐな線に沿って歩く同資料には「年齢にはかなりの幅があり、あくまで平均的な目安」という注釈もあります※¹。学術研究でも報告される年齢や割合には研究ごとにばらつきがあり※²、「何歳までにできるべき」という単一の正解はないというのが実情です。大切なのは、「何歳でスキップができる」と捉えることではありません。「上手に片足で跳べるようになったから、次はスキップに挑戦してみよう」 そんなふうに、レベルアップを楽しみながら身体を動かしていくことです。2. 運動神経が悪い? 発達が心配? 見極めるための考え方「運動神経がもともと悪いから、できないのでは…」そう感じる親御さんも多いです。実はスキップができないことには、もっとシンプルな理由があります。スキップは、基礎動作の中で"最後に"身につく難しい動きスキップが難しいのは、「歩く動き」と「跳ぶ動き」を片足ずつ完結させながら、リズムよく左右交互に繰り返す必要があるためです。この2つの異なる動きを組み合わせる複雑さから、スキップは数ある基礎移動動作の中でも最後に発達する動きだと考えられています※²。歩く → 走る → 両足で跳ぶ → 片足で跳ぶ → 連続片足で跳ぶ → スキップいわば、これまでの基礎動作の"総仕上げ"。つまり、「まだできない」のは、順番通りに発達が進んでいる証とも言えます。「運動神経」という漠然とした言葉ではなく、もう少し具体的な「経験してきたか」という要素で考えてみましょう。外遊びや体を動かす時間片足ジャンプや片足ケンケン(ホップ)・ギャロップなど"前段階"の動きの経験スキップ自体に触れる機会の有無土台となる動きの経験が、まだ積み重なっていないだけというケースも経験的に多いです。「経験不足」と「発達個人差」の違い 様子見か 相談すべきか様子を見ながら伸ばせそうなケース一度相談してみるのも一つの方法なケース片足ケンケンやギャロップなど前段階の動きはできている歩く・走るなど基本的な動きにも気になる点がある年齢的にまだ発達の途中段階年齢を重ねても前段階の動きに変化が見られない「できない=異常」ではなく、あくまで気になる点が重なっているかどうかが判断のポイントです。迷う場合は、小児科や運動の専門家に相談するのも一つの選択肢です。運動が苦手な子どものためのオンライン運動指導教室「きそスポ」とは3. スキップに必要な力! 「コーディネーション能力」「経験の積み重ね」と言っても、具体的に何を積み重ねればいいのでしょうか。ここでは、専門的な視点から少し掘り下げてみます。「コーディネーション能力」とは何かコーディネーション能力とは、目や耳、体の感覚から得た情報をスムーズに処理し、体の動きに変換する力のことです。もともとは1970年代に旧東ドイツのスポーツ科学者が提唱した理論で、一般的に「リズム能力」「バランス能力」「変換能力」「反応能力」「連結能力」「定位能力」「識別能力」という7つの能力に分類され体系化が進んだ考え方です※³。スポーツや日常動作の多くは、これらの能力が複雑に組み合わさって成り立っています。スキップもこのコーディネーション運動の代表例の一つとされています※⁴。中でもスキップに特に深く関わっているのが、体のバランスを保つ「バランス能力」や左右のタイミングを連動させる「両側協調性」です。(もちろん、リズムに乗る「リズム能力」や、複数の動きをつなげる「連結能力」なども無関係ではありませんが、ここでは研究で直接検証されている要素に絞ってご紹介します。)スキップに関わる2つの力、「バランス能力」「両側協調性」の関係ある研究※⁵では、スキップの習得と関係が深い力として、次の2つが調べられました。力内容バランス能力体の重心をコントロールし、姿勢を保つ力両側協調性体の左右をタイミングよく連動させる力この研究では、バランス能力や両側協調性をそれぞれ単独で調べた場合には、スキップとの明確な関連は認められませんでした。一方で、この2つを組み合わせて評価すると、スキップとの間に統計的に意味のある関連が認められました。ただし、その関連は強いものではなく、スキップにはリズム感や体重移動、タイミングなど、さまざまな能力が関係していると結論づけて考えられています※⁵。つまりスキップは、コーディネーション能力の土台となる「バランス能力」と、体の左右をつなげる力「両側協調性」を含む、複数の力が組み合わさって初めて発揮される"合わせ技"のスキルだと考えられます。次の章では、この力を実際に家庭でどう育てていけるか、具体的な練習ステップをご紹介します。▼こちらの記事もあわせてオススメ小学生からのコーディネーショントレーニング。効果的なメニューで子どもの運動能力を向上させる方法子どもの感覚統合トレーニングには「遊び」が重要。楽しんで学べるレッスン例を解説小学生の足が速くなるトレーニング。自宅でもできる、子どもの足を変える方法4. 今日からできる! 自宅でのスキップ練習ステップここでは、前章でお伝えした力を、遊びながら育てられる練習ステップをご紹介します。難しく考えず、まずは親子で楽しむことから始めてみてください。ステップ1:グラグラ遊びでバランス感覚アップ遊び方の例やり方片足立ちゲーム「何秒立てるかな?」と声をかけながら、片足でどれだけ静止できるか挑戦。左右両方で行うケンケン移動片足でその場をポンポンと連続で跳ぶ。慣れてきたら前に進みながら跳んでみる線の上歩き床にテープなどで線を引き、その上をまっすぐ歩く。慣れたらつま先立ちでも挑戦ポイント:グラグラして当たり前。楽しみながら行い、失敗を怖がらせないことが大切です。ステップ2:手足バラバラ遊びで左右の連動アップ遊びやり方クロスタッチ右手で左ひざ、左手で右ひざをタッチする動きをリズムよく繰り返すギャロップ歩き横向きに立ち、片足を踏み出したら、もう片方の足を素早く引きつける動きを連続させる。スキップの"前段階"にあたる動き手拍子ステップ手拍子のリズムに合わせて、足を左右交互に踏み替える。徐々にテンポを変えることで、音に合わせて動きを切り替える感覚を養うポイント:ぎこちなくて構いません。「反対の手足を連動させる感覚」と「リズムに合わせて動きを切り替える感覚」、この2つがどちらもスキップの土台になります。ステップ3:いよいよスキップに挑戦!さあ、ここからはステップ1・2で育ててきた力を確かめながら、スキップの形に近づけていきましょう。バランスの確認:片足立ちで安定感チェック:ステップ1の片足立ちを軽くおさらい。グラグラが減ってきているか、親子で確認してみましょうケンケンパで片足ジャンプ強化:普段の「ケンケンパ」を活用。片足でケンケン(ホップ)を連続させる感覚に慣れておきましょう片足を前に残したままケンケン:今度は、もう片方の足を前に出し、お胸に近づけたまま、片足でケンケンパをしてみます。実際のスキップの時に近い、片足に体重を乗せたまま移動する感覚が身につきます「ト・トン」でスキップ本番:ステップ2で練習したリズム感覚を思い出しながら、「ト(ステップ)・トン(ホップ)」というリズムに合わせて、左右の足を交互に切り替えて進んでみましょう最初は両足がバラバラで大丈夫。「歩く動きと跳ぶ動きが混ざっている」、その瞬間こそが、スキップへの大きな一歩です。「あれ、今の動きスキップっぽかったよ!」 そんな一言が、お子さんにとって何よりの原動力になります。5. スキップができるようになったAちゃんの話ここで、実際にきそスポの教室で出会った、あるお子さんのエピソードをご紹介します。Aちゃん(5歳)のお母さまが「そういえば最近、公園で他の子がスキップしているのを見て、うちの子だけできていないのが気になって…」とふと相談してくださったのです。深刻に悩んでいるというより、「ちょっと気になったから聞いてみよう」という軽い気持ちでの相談でした。実際に様子を見てみると、スキップをしようとすると両足がバラバラになり、ホップをする足を左右で切り替えるタイミングがうまくつかめていない状態でした。そこで、片足立ちやケンケン移動でバランス感覚を、クロスタッチや手拍子ステップのリズム遊びで左右の連動感覚を、そうした土台となる遊びから積み重ねていきました。このとき効果的だったのが、「ケンケンパ・ケンケンパ」や「ト・トン、ト・トン」といったオノマトペを使った声かけです。土台となる遊びを育んだ後、ケンケンパから片足を前に残したケンケンへと段階を踏み、最後に実際のスキップの練習でも「ト・トン、ト・トン」と、動きに合った音を添えて伝えると、Aちゃんは言葉の意味を深く考えなくても、感覚的に体の動かし方をつかめている様子でした。特にこのリズムの声かけは本人のお気に入りになり、家庭でも遊びの延長として自然に続けてくれていたそうです。ご家庭でのご協力もあり、1ヶ月ほど経ったある日、Aちゃんは特に意識することなく、自然と左右の足を交互に切り替えながらスキップができていました(上達のペースには個人差があり、これはあくまで一つの例です)。本人も嬉しそうに「できるようになったよ」という表情で、何度も見せてくれたのが印象的でした。このエピソードが示しているのは、土台となる力を育んだ上で、本人に合った「スキップ練習メニュー」を取り入れることが、結果的に近道になることもあるということ。そして、「できているかな」というふとした気づきの段階で相談してみることが、決して大げさなことではないということです。家庭での練習だけでは伸び悩む場合に、専門家ができることここまでご紹介した練習ステップは、ご家庭でも十分に取り組んでいただけるものです。ただ、実際にお子さんと向き合っていると、「これで合っているのかな」「うちの子はどこでつまずいているんだろう」と、判断に迷う場面も出てくるかもしれません。理学療法士が主催する運動教室では、お子さん一人ひとりの体の使い方のクセや、今どの段階でつまずいているのかを専門的な視点で見極めながら、それぞれに合った運動プログラムを組んでいます。「気になるけれど、相談するほどでもないかも」と迷う段階でも大丈夫です。お子さんの今の様子を一緒に確認してみませんか?オンライン運動指導教室「きそスポ」とは6. きそスポで、お子さんの「できた!」 を一緒に見つけませんかここまで、長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。スキップは、生まれつきの「運動神経」だけで決まるものではなく、いくつもの力が積み重なって育っていくものだと考えられています。だからこそ、「うちの子には何が必要なのか」を知ることが、遠回りに見えて、実は一番の近道になります。とはいえ、「記事を読んだだけでは、うちの子に何が足りないのか、正直まだよく分からない」と感じられた方も多いのではないでしょうか。それも、当然のことだと思います。私たちも、実際にお子さんの動きを見せていただくと、より正確なことがお伝えできます。オンライン運動教室「きそスポ」の無料体験でできることきそスポの無料体験は、60分、3歳からご参加いただけます。特別な持ち物も必要ありません。理学療法士がお子さんのスキップの動きや体の使い方を実際に拝見し、次のようなことをお伝えしています。今のお子さんが、バランス・両側協調性のどちらでつまずいていそうか7つの力(コーディネーション能力)のうち、特に伸ばしていくとよさそうな力ご家庭でも取り入れやすい、その子に合った練習の一例(「ケンケンパ」「ト・トン」遊びのアレンジなど)お申し込み後には、簡単なアンケートにご回答いただきます。事前にお子さんの状況やお悩みを把握したうえで、当日の内容を組み立てていきますので、はじめての方でも安心してお越しいただけます。「評価してすぐに終わり」ではなく、実際に体を動かしながら、お子さん自身が「できた」を感じられる時間になるよう心がけています。緊張しやすいお子さんも多いので、まずは体を動かして楽しんでもらうことを大切にしています。「うちの子でも大丈夫かな」という方へ「運動が苦手だから、余計に嫌になってしまわないか心配」「人見知りで、ちゃんと参加できるか不安」そうしたお声も、これまでたくさんいただいてきました。私たちがお伝えしたいのは、きそスポは「スキップを完璧にできるようにする」ことだけを目指す場所ではない、ということです。お子さんの「できた」を一緒に見つけ、体を動かすことを好きになってもらうことを、何よりも大切にしています。できるようになるペースも、伸びるタイミングも、お子さんによってさまざまです。お子さんの可能性を、専門家と一緒に見つけていく場所として、私たちを頼っていただけたら嬉しく思います。一人で悩み続けなくて大丈夫です。まずは、無料体験でお子さんの様子を見せていただければと思います。ご不明な点があれば、体験の際に何でもご質問ください!\オンライン無料体験のお申し込みはこちら/オンライン運動指導教室「きそスポ」参考・引用文献※1 MSDマニュアル家庭版「1歳半から6歳までの発達の主な目安」.内容を見る※2 Roberton, M. A.Testing the Validity of the Halverson Developmental Sequences for Skipping. Research Quarterly for Exercise and Sport, 84(2), 198-205.2013.論文を見る※3 Golle K, et al. Koordinative Fähigkeiten und Koordinationstraining im Sport. Bewegung, Training, Leistung und Gesundheit. 2019. 論文をみる※4 神奈川県立体育センター研究報告書、子どもの体力及び運動能力の向上に関する研究.(平成20年度).内容を見る※5 Hockersmith, M. R., & Folsom-Meek, S. L. The Relationships of Balance and Bilateral Coordination to Skipping in Kindergarten Children. ERIC Document. 論文を見る