きそスポでは、運動の宿題(自主トレーニング)として、その子に合った2〜3つのメニューをお伝えしています。内容はシンプルです。たとえば「壁に手をついて30秒ダッシュ(かけっこ練習)」「風船空中でポンポン30秒チャレンジ(目の運動、ボールキャッチ練習)」など、5〜10分あれば十分できるもの。でも、続けられる子とそうでない子がいます。Aちゃん(小1)は、毎日欠かさず取り組んでいます。宿題の経過確認をした時に「できてるよ!」 と報告してくれる笑顔は、毎回こちらまでうれしくなるほど。一方、Bくん(年長)は、お母さんが「いや、出来てないんですよね…」と、申し訳なさそうに話してくれます。Bくんはさぼっているわけでも、やる気がないわけでもない。それは話しているとすぐわかる。じゃあ、いったい何が違うんだろう?実は、これは私自身の子どもを見ていても感じることです。「やりなさい」と言えば逆効果。「宿題なんだから自分でやりなさい」「宿題やったの?」 だと動けない。でも、ある日ふとしたきっかけで、すんなり動けることがある——。その「ふとしたきっかけ」に、大きなヒントが隠されていました。実はこれ、「場所と時間を固定すること」がポイントなんです。行動習慣の研究では、「いつ・どこで・何をするか」を事前に決めておくことで、行動の実行率が大きく上がることがわかっています。これを「実行意図(if-thenプランニング)※¹」と呼びます。「やる気が出たらやる」は、じつは一番続かない方法。やる気というのは、行動の"原因"ではなく、行動した"結果"として生まれるものだからです。Aちゃんのお母さんに話を聞くと、「うちは夕ご飯の前、テレビをつける前にやるって決めてるんです」とおっしゃっていました。まさにこれ。場所はリビング、時間は夕食前、という「セット」が決まっているから、考えなくても体が動く。一方でBくんは、「気が向いたとき」もしくは、「親からの声掛け」が宿題タイム。気が向く瞬間を毎日つくるのは、大人でも難しいですよね。子どもにとって「習慣」は、意志の力で続けるものではなく、環境と流れの中に組み込まれて初めて動き出すものなのです。まずは、家の中でこれをやってみてください!今日から試してほしいのは、たった一つ。「いつも決まっていること」の直前か直後に、運動をくっつける。たとえば——「歯みがきのあとに、○○」「ランドセルを置いたら、○○」「お風呂に入る前に、○○」ポイントは、すでに毎日やっていること(歯みがき・帰宅・入浴)に"くっつける"こと。新しい習慣は、ゼロから始めるより、今ある習慣の隣に置くほうがずっと根づきやすいんです。最初は1種目でOK。「できた!」 の小さな成功体験が積み重なると、子どもは自分から「今日もやる」と動き始めます。やる気は、そのあとからついてきます。私自身の子どもも、毎朝一緒に「起きた後に、縄とび」で現在、二重とび練習を実施中です。習慣化されてきて、最初は私から「縄とびするよ」だったのが、「今日はパパ、縄とび出来そう?」 に変化してきましたよ。※1 Gollwitzer, P. M., & Brandstätter, V. (1997). Implementation intentions and effective goal pursuit. Journal of Personality and Social Psychology, 73(1), 186–199.論文を見る運動が苦手な子どものためのオンライン運動指導教室「きそスポ」とは